

企業がARを作成する意義は?
昔は、企業は株主のものという思いが強かったので、そのオーナーである株主向けのARと言う色彩が濃く、ARを通じて「利益を極大化できる経営陣の力」を表現してきました。しかし、今は時代が変わり、企業は必ずしも株主だけのものではなく、従業員、取引先、地域社会などを含めた様々なステークホルダー(利害関係者)の中で存在していると言う考え方が定着しつつあります。その結果、ARでは優れた業績を誇示するのではなく、信頼できる経営陣、つまり「経営品質の高さ」を表現すべきだと思います。
日本企業のARに変化は見られるか?
ARに対する考え方は企業ごとに異なります。中小企業やベンチャー企業は優れた経営よりも収益を強調せざるを得ない面があります。他方、歴史が長く時価総額1000億超のような日本を代表する上場企業は、社会的責任として経営陣の信頼性をアピールする考えが浸透しつつあります。これは日本企業に限ったことではないですが、厳しい予算のなか、色々な説明責任ツールがARに収斂、シンクロしていくという変化も出始めています。
良いARを作っている企業の共通点は?
AR作りへの経営陣の関与度がまず非常に高い。制作実務が現場レベルで取り仕切られていることは各社共通ですが、経営陣の関与度が低いと、効率的に短納期で仕上げるという名目のもと、既に発表した内容を再利用したりして、無難に仕上げる風潮になりやすいようです。決算を終了して約半年後に発行するARに書かれている内容が全てどこかで使われた表現や文章で構成されていれば、読者はがっかりしてしまいます。全てオリジナルの気持ちが大事です。もっとハッキリ言えば、優れた経営は優れたARに反映されるということです。この言葉は、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏(保険・投資会社バークシャー・ハザウェイ会長)も述べています。
AR作成を外部に委託するメリットは?
ARは外部の投資家が読者なので第三者機能が必要。確かに原稿作成において圧倒的な情報ギャップがある故に、自社で書いたほうが早くて簡単という声もありますが、これは当然。大事なのはロジックであり、コンテンツはそれにあわせて収集される以上、企業担当者のほうが圧倒的に優位です。しかし第三者目線のロジックは第三者で無ければ担保できません。フィギアスケートに例えれば、ディスロージャーは規定演技、IRは自由演技であり、その時々の会場のゲストの人々の期待に適う印象点獲得が重要となるのです。コーチの役割が重要ということです。
PRとIRの最大の違いは?
情報を発信する側の論理で話をするのがPR、説得される側の論理で話をするのがIRです。投資家は命に次いで大切なお金を投資するため、非常に臆病になります。一方的に宣伝マンが書いたような、将来バラ色で悪いことは何も起こらないという文章を見れば見る程恐くなるのです。投資家の不安な気持ちを企業側が読み取り、説得される側の論理にコンテンツ(内容)を並び替えるのが当社の役割です。ARを通じて企業側に共感を持つよう、読者を誘導しなければなりません。読後感に気を配るなら、自分より、相手7割で論理を展開することが大切で、あまりにも一方的だと読み手はうんざりします。
制度開示(ディスクロージャー)と任意開示(IR)の違いは?
ステークホルダーの説得はデータ→インフォメーション→プレゼンテーションの三段階で行います。データを一つの知的体系(仕様)にまとめたものがインフォメーションで、これが制度開示です。ARでは財務諸表に相当します。これを分かり易く説明するのがプレゼンテーション、即ちIRです。例えば、過去最高決算だったことは損益計算書を見れば分かるが、これが来年以降減益に向かうか、あるいは一層利益が増すかという疑問に答えを出すのが前半部で、後半部(制度開示)が充実すればするほど前半部(IR)を充実させないと、決算書の本当の意味が分からなくなります。ARは、その企業を代表する最高格のプレゼンテーション資料です。
なぜフルラインIRを標榜するのか?
フルラインはIRツール、IRサービス、ネットIRというIR商品を全てそろえているという意味だけではありません。日本の上場企業の大半は中小型企業ですが、これらの企業にレガシー企業が展開しているIRプログラムを同じように採用するのは不可能です。しかしながら一方で、IRは外部に各種ステークホルダーが存在している上場企業の必須プログラムであることも事実なので、負担感の無い形でIRが出来るような世界を実現していかなければ、当社の企業使命を果たせないことになります。IRの世界でも「安くて、早くて、美味い」といったプログラムもなければいけません。そういう意味でのフルラインでもあるのです。子会社である日本財務翻訳株式会社は制度開示の英文翻訳の専門企業ですが、せっかく作っている日本語の制度開示を英訳するだけでも、立派に外国人投資家にIRとして通用しますし、一方の子会社であるコーポレートダイレクト株式会社はIR情報を自社HPに載せるだけで必要なところに配信するサービスです。とりわけ知名度の低い中小型株の企業の方々の圧倒的なご支持を頂戴しております。
IRとは、即ち「有言実行」ですか?
そうです。昔は「不言実行」が美徳のように思われていました。それこそ「男は黙って…ビール」の世界でした。IRは「有言実行」でなければだめです。何も言わずに好業績を上げても、市況のお陰で、マネジメントの力ではないと思われてしまいます。投資家は企業からIRを通じてなぜ数ある投資対象の中でその企業なのか、に付いての仮説を求めています。その仮説を達成できるかどうかの「確からしさ」を常に求めています。手を変え品を変え「確からしさ」を強調し続けるのがIRです。日本企業も外国人投資家からの刺激を受け「有言実行」する企業が増えてきたように思います。
最後に、良いAR制作会社の定義とは?
お客様が決めることなので、言い切ることは難しいです。当社自身が良いAR制作会社と思っていたとしても、必ずしもそれが、お客様の評価ポイントではないかもしれないからです。それでも敢えてといわれれば、体制力に行き着くのではないでしょうか。私が創業した25年前であれば、AR制作は趣味の世界と言ってもいいくらい発行企業数も少なく、英語になっていて、AR風であればそれでOKという部分もありました。AR風の英文会社案内といったところです。今はまるっきり違います。1冊のARを作るための投入リソースは、以前に比べれば比較にならないほど大きく、これを担当者の属人性を超えて、安定品質で提供しなければなりません。当社でも一人の営業を8人のバックスタッフがサポートしています。日本No.1のAR制作会社としての地位を長年にわたって保ってきた最大のポイントだと思っています。
Copyright © General Solutions, Inc. All Rights Reserved.
